血液・体液などで汚染する可能性あるコンソールなどは、Ao値600(80℃、600s)の消毒は重要と考えます。しかし、血液・体液などが全く接触しないRO装置でAo値600が必要であるかは疑問である。RO装置の水質汚染は、グラム陰性桿菌などの水生菌によるものである。そこで私は、62℃で30分程度の消毒を1回/w実施してきた。スライドにも示すがエンドトキシンや細菌が検出されるのは希であった。また、経年劣化としてRO膜に堆積するスケールによって運転圧力上昇し、透過水量の低下が発生する。大量な透析液が必要なon-line HDFでは悩みの種となる。そこで始めたのが薬品よるROモジュール洗浄であった。堆積物は、シリカ系スケール、カルシウム系スケール、有機スケール、無機スケールなど複合されたものとなる。過酸化水素、過酢酸、強アルカリ剤などの薬剤で洗浄を実施したが、満足の出来るものは無く膜劣化が進行した。62℃の弱熱水消毒は、消毒目的で実施したが運転圧力も上昇せず一定の透過水量が維持できた。これは弱熱水が有機スケールを堆積させないためと思われた。また、弱熱水であれば部品への劣化も少ないと思われる。私は非熱水対応の東レ社TW-Pで2年以上に渡り弱熱水消毒を実施しているが故障はなく、部品交換もしていない。スライド