Yanの透析診療所


透析液清浄化とOn line HDFがテーマです。急性血液浄化もカテゴリーに追加しました。

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2019年08月

排水管理の現状と課題

 透析施設からの酸性排水によってコンクリートが損傷し、内部の砂利や鉄筋がむき出しになってしまいます。このような損傷が発生した場合は、下水への排水ができなくなるため医療行為に支障が生じるとともに、道路陥没を引き起こし、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。酸化力が強い過酢酸などの洗浄消毒を考え直す必要があるでしょう。透析排水と下水道管について

透析関連排水に関する勧告

2019年4月1日

透析関連排水に関する勧告
一般社団法人日本透析医学会
    理事長 中元 秀友
公益社団法人日本透析医会
     会 長 秋澤 忠男
公益社団法人日本臨床工学技士会
理事長 本 間  崇

各透析施設においては、下水道法ならびに関連自治体条例等を遵守するため透析関連排水に関して以下の管理を実践するよう勧告する。

1.中和処理装置(システム)の設置 法および条例で規定されている「水素イオン濃度(例:東京都23区の規制ではpH:5を超え9未満)」を満足すべく中和処理装置(システム)の設置を原則とする。なお、使用する装置(システム)については、届出等各自治体関連部署の指示に従うものとする。

2.適正な消毒剤・洗浄剤の使用 1.を達成すべく、適正な消毒剤・洗浄剤を使用する。具体的にはメーカー指定のものを所定の方法で使用する。

3.適正な排水管理 基準を満たす排水が流れているか、排液モニタリング(排液pH測定等)を通じて適正に排水管理する必要がある。 上記内容を充足すべく具体的な方策について、今後3団体はマニュアル等を通じて啓発活動に努める所存である。

次世代硬度処理装置について

 次世代硬度処理装置の検索キーワードがTOPとなっています。しかし、その関連記事は、全て削除されていますので、新たに投稿させて頂きます。結論から言うと次世代硬度処理装置は、現在使用していません。院内が水道水の時は、とっても調子が良かったのですが地下水に切り替わってからは使い物になりませんでした。災害時のことを考慮して井戸水浄水処理プラントなどを設備する施設が増えていますが、電導度が上昇するなど透析用水の原水としては不向きです。そこで次世代硬度処理装置ですが、地下水に切り替えられてNSポリマー変色が直ぐに起こりました。販売元のレスコからの指摘は、緑色の変色は使用劣化とは異なり、銅による悪影響が強く疑われ、ポリマー本来の効果が発揮できていなとの見解でした。銅の除去の為にCGフィルター設置を提案され、個人用ROに設置してみました。NSポリマーも新品に交換してみました。しかし、NSポリマーは緑色に変色し、CGフィルターも緑色に変色しました。その後の 回答は、メーカーと今回の件について協議を行いましたが、メーカーでも事例が無いとのこと。 「検体につきまして、ポリマー変色具合はまだ完全に機能を失っているとは言えませんが、 原水~CGフィルターの間で、連続または時々にかなりの銅が流出していると思われ、 ポリマーまでを変色させている現象だと思います。 例えば、時々にでも1秒あたり1.5m以上の流速となった時、原水~CGフィルターの間にある、 循環ポンプや配管部材の銅が剥離流出される可能性が高くなります。 原水に銅は含まれず上記のようなケースがある場合、銅検出部の特定には困難を要し、 疑われる箇所1カ所ずつ再検査をしていくか、現在のCGフィルターを増やすなどの 対策をとらなければなりません。」
  また、井戸水浄水処理プラントで使用している以下の薬品5種類の影響も聞いてみましたが、問題ないとの回答でした。
・ 次亜塩素酸ナトリウム
 ・ 食塩
・ ポリ塩化アルミニウム
 ・ 重亜硫酸ソーダ
 ・ スケール分散剤 (フロコン260)
  それから変色したNSポリマーをレスコに送って原因調査を依頼しました。メーカーの米国に送って調べて貰うと言ってましたが、1年半以上回答はありません。(嘘?)

 地下水ですが、水質に問題があるらしく役所の許可が出ず、現在は使用できなくなりました。水道水に切り替わりましたが、次世代硬度処理装置は使用せず、軟水器を使用してます。次世代硬度処理装置は使えないシステムと考えています。

TAFRO症候群

 TAFRO症候群により腎機能低下を認め、CHDF、On-line HDFが必要となりました。現在は血液浄化を離脱しています。この病気の症状は、血小板減少、著明な胸水や腹水、発熱、骨髄線維症/腎機能障害、肝臓や脾臓の腫大などです。通常は治療をしても治癒する事はなく、症状のコントロールが目的になります。膠原病や関節リウマチなどと同様です。

パーサビブ静注透析用

 このパーサビブは、透析患者への二次性副甲状腺機能亢進症治療薬である。 二次性副甲状腺機能亢進症は慢性腎臓病の合併症で、副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰に分泌される病態。PTHの過剰分泌により骨からのリンやカルシウムの血中への流出が促進され、骨痛や関節痛などの症状が引き起こされる。パーサビブは副甲状腺にあるカルシウム受容体に作用することでPTHの過剰分泌を抑制し、血中のP値・Ca値を低下させるとされている。 従来薬のレグパラ錠もパーサビブと同じカルシウム受容体作動薬だが、経口製剤であるため実際には服用していないケースが多かったのではないか?パーサビブは、透析終了時に血液回路から確実に投与でき、安定した血中濃度の維持が容易となる。

ボタンホール穿刺標準化の試み

 ブログの削除により15年分ほどの記事を削除してしまいましたが、ボタンホールの資料をPCの中から発見出来ました。透析液清浄化とOn-line HDFについては、こちらが25年分を集約しています。

第53回日本透析透析医学会 2008年

【目的】透析治療の長期化による穿刺頻度の増加、高齢者や糖尿病腎症の増加に伴い穿刺による血管の損傷が危惧されている。そこで、バイオホールスティックを用いず、穿刺痕へ反復挿入するボタンホール(BH)穿刺を標準化した。
 【方法】2005年1月~2007年12月の3年間で維持透析患者(自己血管 179人、Thoratec 18人、Advanta PTFE 2人、Advanta PTFE VXT 2人)を対象に通常針の穿刺孔にダルニードル カニューラ針(D針)又はペインレスニードル(P針)を用いて反復挿入にてBH穿刺を実施した。
 【結果】感染は自己血管が5例、Thoratecが2例、Advanta PTFE VXTで1例発生した。穿刺直後に静脈圧が上昇する症例が半数以上みられた。
 【考察】静脈圧の上昇は、穿刺時にヘパリン加生食で外套内をフラッシングすることで対処できる。また、サイドホール無しの外套針を選択するだけで容易に対処できた。
 【結語】穿刺針はA:17G,16G(4サイドホール),V:16G,15G(サイドホール無し)が好ましいと思われた。また、スタッフ全員がBH穿刺に慣れ、特別な穿刺法と意識させないことでBH穿刺が標準化出来た。 スライド ニプロ資料

プロフィール

Yan

 臨床工学技士・透析技術認定士。透析液清浄化に取り組み1992年よりOn -line HDFを実施しております。急性血液浄化でも大量前希釈On -line HDFを導入させ、現在では個人用RO装置の開発にも取り組んでいます。

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