第45回 日本血液浄化学会 2018年

【目的】ダイセン・メンブレン・システムズ社の協力により新たな個人用RO装置FC-RE50Hの開発を行った。熱湯消毒(薬液熱水も可能)はカーボンフィルターからROモジュールまで実施でき、送液ラインの次亜塩素酸消毒もできる。RO水はループ配管にて常時循環により停滞しないシステムとした。

【方法】開発したRO装置にて週1回の熱湯消毒と次亜塩素消毒を実施。有機スケール除去目的に1ヶ月毎にアルカリ熱水消毒を実施した。エンドトキシンと細菌数測定は、熱湯消毒実施前にサンプリングした。TOCと導電率はアルカリ熱水消毒前にサンプリングした。

【結果】熱湯消毒は80℃以上10分の設定でA0値は1100~1300となった。RO水の導電率は1.67±0.21μS/cm、TOCは45±9.1ppbであり、停滞しない環境でのET値は検出感度未満、細菌数は0.05CFU/mL未満であった。

【考察】RO水の常時循環は、週間タイマーにより制御できる、。熱湯消毒後に1日3時間以上の停滞があると1週間後に3CFU/mL程度の細菌が観察された。ET値は、0.013EU/mLあった、また、ICUでの使用時にRO装置の移動によるRO水給液ラインの脱着時はアルコール消毒を実施しているが、細菌が観察された。装置移動後はRO水送液ラインの次亜塩素酸消毒は必要と考えられた。また、カーボンフィルター交換周期にてCaスケール除去目的でクエン酸洗浄も必要であろう。

【まとめ】ダイセン・メンブレン・システムズ社のFC-RE50Hは、熱湯消毒と次亜塩素酸消毒が実施でき、超純粋透析用水が製造可能な個人用RO装置であった。ICUなどでon-line HDFの実施も可能と思われた。 スライド

中野浩志、他:超純粋水個人用RO装置の開発.日本血液浄化技術学会雑誌 第26巻1号:62-64,2018