Yanの透析診療所


透析液清浄化とOn line HDFがテーマです。急性血液浄化もカテゴリーに追加しました。

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ポリミキシンBを固定化したPMX

 ポリミキシンBは、細菌を直接殺す作用を持つ抗生物質で、細菌による感染症の治療薬として用いられている。ポリミキシンBは、エンドトキシンと親和性が高く結合しやすく無毒化する働きもある。それならば、ポリミキシンBを点滴などによって静脈注すれば、一石二鳥ではないかと考えられるが、腎毒性や中枢神経毒性などを引き起こす副作用があるため使用できない。そこで東レ社は、トレミキシンBを固定化したポリスチレン誘導体繊維を充填したカラムで直接血液灌流法(DHP)を施行する方法を考案した。トレミキシン®PMX-20R(1994年発売)は、エンドトキシン血症やグラム陰性菌による敗血症性ショック,グラム陰性菌感染の疑われる重症感染症などが適応となる。現在はPMX-20R、PMX-05R、PMX-01Rの3種類をを販売ている。

ドブタミンとノルアドレナリンの違い

カテコールアミン製剤の役割と作用機序
カテコールアミン製剤は、交感神経に作用し、強心作用と昇圧作用を主な目的として使用されている。
・α作用・・・末梢血管収縮作用
・β1作用・・・心収縮力増大作用
・β2作用・・・末梢血管拡張作用

カテコールアミン製剤の種類と特徴
■ドーパミン(イノバン・カコージン・カタボン・プレドパなど)
・特徴:α(末梢血管収縮)作用が優位で、β1(心収縮力増大)作用もある程度持つという特徴がある。少量投与では腎血流の増加作用があり利尿効果にもつながる。多量投与では、α(末梢血管収縮)作用によって血圧上昇作用が増す。
・注意点:副作用として、心拍数の上昇や不整脈が出現する場合があります。
■ドブタミン(ドブポン・ドブトレックスなど)
・特徴:β1(心収縮力増大)作用が優位な製剤である。心筋の酸素消費量を増大させず、心収縮力増大作用のみ発揮するため、心不全に効果的である。
・注意点:末梢血管拡張作用があるため、心拍出量は増加しても、血圧は不変またはやや低下し効果的な血圧上昇は認められない。
■ノルアドレナリン(ノルアドレナリン)
・特徴:β1(心筋収縮力増大)作用に加えてα(末梢血管収縮)作用が強く、血圧上昇に著明な効果がある製剤である。
・注意点:末梢血管収縮作用が強いため、末梢循環不全を起こす可能性がある。
■イソプロテノール(プロタノール)
・特徴:β1(心収縮力増大)作用と心拍数上昇作用があり、徐脈の回避に効果的である。β2(末梢血管拡張)作用により冠動脈や肺の血流が増加する効果と、気管支拡張作用もある製剤である。

補液開始遅延したHDF

 HDFを施行の場合、治療開始から補液(濾過)を開始すると膜の目詰まりによりTMP上昇を経験する。これはアルブミン損失を制御する観点から漏出が過大となる治療開始5~10分間は濾過しないことで膜の細孔が狭小化せず、大量液置換が可能になると報告されている。そこで我々は補液開始時間を以下のように実施している。大量補液on-line HDFや長時間のCRRTでは、補液開始の遅延は重要と考える。

DBB-100NX:補液開始遅延時間8分、TMP0補正開始時間8分により補液開始は11分後となっている。 KM-8900:CHDFのAUTO運転により総血液量が300mLで補液が開始される。(血液流量100mL/minで3分後) ACH-Σ:補液開始遅延設定が無いので準備運転で10分間の空運転後に補液を開始している。以前の記事

参考資料
大量液置換血液透析濾過法においてアルブミン損失量を適正範囲に制御する方法

プロフィール

Yan

 臨床工学技士・透析技術認定士。透析液清浄化に取り組み1992年よりOn -line HDFを実施しております。急性血液浄化でも大量前希釈On -line HDFを導入させ、現在では個人用RO装置の開発にも取り組んでいます。

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